抄録
1才から4才のビーグル犬420頭について偶発病変を検索したところ, 肝において胆石が87%, 内芽腫が59.9%, 肝細胞の硝子様核内封入体が52.6%, リポフスチン沈着が50%, 好酸性細胞質内封入体が3.7%に認められ, また, 靱帯付着部の実質壊死が3.7%にみられた。肝細胞の硝子様核内封入体およびリポフスチン沈着は, 実験期間が13週間以上の場合高率に認められた。肝以外では, 甲状腺で小胞上皮細胞の過形成が46.3%に, また, 脾被膜のGandy-Gamna氏小体様の結節が43.1%に, 下垂体前葉における小のう腫が35.1%見出され, さらに雄の13.7%に前立腺炎が認められた。また, 犬回虫の幼虫が体内移行する際に生じた病変が, 33.1%の犬の肝・腎・肺等に認められた。