Experimental Animals
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ラット血清および血漿乳酸脱水素酵素の比較検討
江守 利博高橋 正一長瀬 すみ
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1978 年 27 巻 2 号 p. 167-175

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抄録
疾患モデルや毒性テストに多くのラットが用いられ, それらの生化学的データが要求される事が多いが, それらに関しての問題点は多く, 早急の解決が迫られている。バラツキの多いラット血清LDHの原因究明の一端として, 血清及び血漿LDHについて比較検討を行ない次の結果を得た。
1) 血清LDH活性は血清分離までの血液放置時間とともに増大するが, 血漿では一定値を保った。
2) PRPにカルシウムを添加することにより, 血清LDH活性の上昇を説明しうる血小板からのLDH放出を認めたが, ADP, トロンビンでは認められなかった。
3) このカルシウムによる血小板からのLDH放出はアスピリンによって阻害されなかったが, 使用する容器の材質により大きく影響を受けた。
4) 種々の病態モデルを作成し, 血清または血漿のLDH活性を検討したところ, 血漿の方が早期に病態を反映する成績を得た。
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© 社団法人日本実験動物学会
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