Experimental Animals
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Print ISSN : 0007-5124
実験用ネコから分離されたマイコプラズマの性状
輿水 馨伊藤 正博曲淵 輝夫
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1979 年 28 巻 3 号 p. 393-400

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抄録

実験用動物として使われた外見的に健康なネコ42匹および死亡ネコ14匹から採材した213材料のうち, 87 (40.8%) 材料からマイコプラズマが検出された。これらのマイコプラズマは結膜 (4/51: 7.8%) , 口腔 (46/52: 88.5%) , 鼻腔 (30/55: 54.5%) , 包皮 (2/21: 9.5%) , 腟 (3/30: 10.0%) および肺 (2/4: 50.0%) から分離された。分離株からクローニングされた167株は, 各種生物学的性状ならびに発育阻止試験による血清学的性状にもとついて3群にわかれた。すなわち, 26株はMycoplasma felis, 138株はM.gateae, 残りの3株はM.feliminutumと同定された。M.felisは結膜, 口腔および鼻腔からのみ分離されたが, M.gateaeは結膜からは分離されず, 上部気道および泌尿生殖器などに広く分布していることが明らかにされた。M.feliminutumは口腔からのみ分離された。これらのマイコプラズマ菌種の分離はわが国では最初である。

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© 社団法人日本実験動物学会
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