抄録
1978年, わが国の8コロニーに由来する40匹のマウスと36匹のラットの新鮮糞便からEscherichia coli248株, Staphylococcus epidermidis132株, Streptococcus faecalis137株およびStr.faecium89株を採取し, ベンジールペニシリン (PC-G) , アンピシリン, (APC) , クロキサシリン (MC1-PC) , セファロリジン (CER) , テトラサイクリン (TC) , クロラムフェニコール (CM) , ストレプトマイシン (SM) , カナマイシン (KM) , ゲンタミシン (GM) , エリスロマイシン (EM) , オレアンドマイシン (OM) , キタサマイシン (KT) , スピラマイシン (SP) , タイロシン (TS) , コリスチン (CL) , バシトラシン (BC) , チオペプチン (TP) , バージニアマイシン (VM) , ノボビオシン (NB) , スルファジメトキシン (SA) , トリメトプリン (TM) , ナリジキシ酸 (NA) , フラゾリドン (FZ) に対する耐性の有無を寒天平板希釈法によって検索した。マクロライド系薬剤を除くと, いくつかの株がTC (12.5mcg/ml) またはSA (100mcg/ml) に単剤耐性を示すにとどまった。一方, マクロライド系薬剤 (EM, OM, KT, SP, TS) に対しては, コロニーF, G, H由来のStaph.epidermidisとStr.faeciumが多剤耐性をもっていた。検査対象とした8コロニーのうち, コロニーF, G, Hのみが抗生剤使用の前歴を有し, 多剤耐性菌の出現と抗生剤使用の関係は極めて密接であると思われた。