22例のイヌ (ビーグル種) において, 橈側皮静脈と外頸静脈から採血し, 血液学的および血清生化学的諸検査値に差が認められるかどうか検討をおこなった。その結果MCV (平均赤血球容積) と血清グルコース量について, 両血管の間に有意な差 (P<0.05) が認められたが, その他のほとんどの項目については差はなかった。また採血所要時間は, 12ml採取する場合橈側皮静脈では2―8分を要するのに対し, 外頸静脈では全例30秒以内に採血を終えることができた。このことから, イヌでは外頸静脈は橈側皮静脈よりも多量採血に適した部位といえる。