Experimental Animals
Online ISSN : 1881-7122
Print ISSN : 0007-5124
ヌードラットのT細胞機能欠損について
寺田 英司中山 太郎日置 恭司斎藤 宗雄奥平 博一
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1980 年 29 巻 3 号 p. 365-367

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抄録
Outbred hooded由来であるヌードラット (rnu/rnu) の, 免疫学的性格を検討した。胸腺依存性抗原 (ヒツジ赤血球) に対する抗体産生は, ヘテロ型 (+/rnu) ではIgM, IgG抗体ともに, 産生されるにもかかわらず, ホモ型 (rnu/rnu) ではIgM, IgG抗体とも, 一次反応, 二次反応でも検出されなかった。マウスsarcoma180の移植能を検討したところ, ヘテロ型では腫瘍の生着はみられなかったが, ホモ型では30日間以上生着し, 増殖することがわかった。T細胞にmitogenであるCoA, PHA-Pに対して, ホモ型の脾細胞は反応を示さなかった。
以上のことから, rnu遺伝子をホモ型にもつこのヌードラットにおいては, T細胞機能が欠損していると結論した。
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© 社団法人日本実験動物学会
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