Experimental Animals
Online ISSN : 1881-7122
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チャイニーズハムスターの下顎腺の微細構造について
鈴木 秀作西中川 駿大塚 閏一
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1982 年 31 巻 2 号 p. 97-105

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抄録
チャイニーズハムスターの下顎腺の腺胞・介在部および線条部について光学顕微鏡ならびに透過電子顕微鏡で観察した。腺胞細胞は漿粘液細胞からなり, PAS陽性でABに中程度に染まり, 雌は雄に比べABに対する染色性が強かった。電顕的に腺胞細胞は明調細胞からなり, 電子密度や形状の異なる種々の大きさの顆粒を有していた。顆粒には, チャイニーズハムスターに特有と考えられる微細毛状の顆粒が比較的多く存在し, 雌は雄に比べこれらの顆粒が多く認められた。介在部上皮細胞は, 雌雄ともにPAS陽性で, ABに染まらない明調細胞のみからなり, 電子密度の低いものから高い円形ないし多角形顆粒を有していた。線条部は, 酸好性でPAS陽性を示す粗大な顆粒をもつ線条部と顆粒を有しない線条部に分けられ, 両部位の上皮細胞には明調細胞と暗調細胞が認められた。前者には, 種々の大きさや電子密度をもつ円形ないし多角形顆粒が, 後者には, 微細空胞や粒子が存在した。なお, チャイニーズハムスターの線条部には, 雌雄による形態学的差異は認められなかった。
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© 社団法人日本実験動物学会
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