Experimental Animals
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無アルブミンラット (NAR) における血漿脂質濃度および酵素活性
高橋 正一久須美 圭子朱宮 正剛長瀬 すみ
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1983 年 32 巻 1 号 p. 39-46

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抄録
4週令から52週令に至るNAR (長瀬無アルブミンラット) の血漿脂質濃度について検討した。さらに, 肝機能に関連する血漿酵素活性の測定もおこなった。この結果, 総脂質, 総コレステロール, 燐脂質およびトリグリセライドの値は正常ラットに比し上昇していたが, 遊離脂肪酸の値は減少していた。脂質の年令による上昇は, NARの雌に強く認められた。性腺摘出NARをもちいて, 血清脂質に対する17β-エストラジオールおよびテストステロンの効果について検討した。17β-エストラジオール投与群では, 血清脂質の値は上昇を認めたが, テストステロン投与群では効果は認められなかった。雌のNARにアルブミンを投与し, 血清脂質に対するアルブミンの効果についても検討したが, アルブミンを投与された雌NAR血清脂質は, 低値を示した。血漿グルタミン酸オキザロ酢酸トランスアミナーゼ, グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ, 乳酸脱水素酵素およびロイシンアミノペプチダーゼ活性値は, 正常ラットに比し高値を示した, 血漿アルカリホスファターゼおよびコリンエステラーゼ活性値については, 両ラットでほぼ同じ値を示した。
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© 社団法人日本実験動物学会
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