抄録
AJR (alb/alb, j/j) は約2週令で全例が死亡する半致死動物であり, AJRの維持・生産にはACJ (alb/alb, j/+) 同士の交配を行なわねばならない。この繁殖方式を改善するためにAJRの治療を試みた。約7日令で黄疸を発症したAJRについて, 2~3日毎に1ml/匹の正常ラット血清を腹腔投与し, さらに照射箱内で1日14時間の可視光線を照射することにより正常に成長・成熟させることができた。これらの処置は1~4週令の比較的短期間に限って有効であった。現在AJRの成熟率は約27%であり, AJRを用いた繁殖ペアはACJの♀とAJRの♂を交配させる方法が最も良かった。AJRの治療によってACJ×AJRの交配が可能となり, ACJを選抜するための後代検定が不用となるとともに, AJRの出現率が50%に上昇した。