Experimental Animals
Online ISSN : 1881-7122
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無アルブミン・高ビリルビン血症ラット (AJR) の治療と生産方法の改良
朱宮 正剛長瀬 すみ
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1983 年 32 巻 2 号 p. 97-102

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抄録
AJR (alb/alb, j/j) は約2週令で全例が死亡する半致死動物であり, AJRの維持・生産にはACJ (alb/alb, j/+) 同士の交配を行なわねばならない。この繁殖方式を改善するためにAJRの治療を試みた。約7日令で黄疸を発症したAJRについて, 2~3日毎に1ml/匹の正常ラット血清を腹腔投与し, さらに照射箱内で1日14時間の可視光線を照射することにより正常に成長・成熟させることができた。これらの処置は1~4週令の比較的短期間に限って有効であった。現在AJRの成熟率は約27%であり, AJRを用いた繁殖ペアはACJの♀とAJRの♂を交配させる方法が最も良かった。AJRの治療によってACJ×AJRの交配が可能となり, ACJを選抜するための後代検定が不用となるとともに, AJRの出現率が50%に上昇した。
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© 社団法人日本実験動物学会
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