Experimental Animals
Online ISSN : 1881-7122
Print ISSN : 0007-5124
マウスの膣閉塞: 発生率と外科的治療
マサンカイ ジョセフ, S.近藤 恭司
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1983 年 32 巻 3 号 p. 139-144

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抄録
名古屋大学農学部家畜育種学教室で, 学生実習用に維持・使用していた淡黒色の系統に膣閉塞雌の多発がみられた。この系統は, 兄妹交配によって維持されていて, 研究に用いたのは兄妹交配9~13世代であり, Imv系と命名してある。Imv系の膣閉塞雌の出現率は, 131♀中16例 (12.21%) で, 他の系統と比較して著しく高い。形態学的観察によって膣開孔部のみの異常で他の器官に異常はないと思われたので, 35~40日齢の膣閉塞雌10例を手術によって開孔させ, 治癒後交配してみたところ, 総べて正常に分娩した。しかし, 生まれた子には膣閉塞雌が12.76% (47♀中6例) 生じImv系維持集団における発生率と同率であった。尚, この手術により治療した雌からは, 膣閉塞雌以外に, 指趾の奇形・尾曲り等が多発した。
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© 社団法人日本実験動物学会
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