抄録
1980年わが国の主要な9研究施設および11生産施設に由来する実験動物よりStreptococcus faecales1, 278株, Str. faecium688株およびStaphylococcus epidermidis796株を採取し, 薬剤耐性を調べた。Str. faecalisの13%, Str. faeciumの12%およびStaph. epidermidisの25%が薬剤耐性であった。レンサ球菌ではマクロライド系抗生物質に交叉耐性を有する多剤耐性菌が, ブドウ球菌では2剤耐性菌が主として薬剤使用歴を有する施設より検出された。一方, テトラサイクリン単剤耐性レンサ球菌およびエリスロマイシン単剤耐性ブドウ球菌は, 薬剤使用歴にかかわらず検索した20施設のうち約半数の施設に分布していた。