Experimental Animals
Online ISSN : 1881-7122
Print ISSN : 0007-5124
照明可変装置付・新型ラット用クリーンラックの有用性
―ラット摂水量および血中corticosterone値の日内変動による検討―
鳥居 隆三下田 和孝花田 耕一高橋 清久
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1985 年 34 巻 1 号 p. 57-62

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抄録
SPF動物の飼育条件を満たし, かつ照明時間を任意に統御し得る新しいタイプのラット用クリーンラックを試作した。本ラックを用いてSPFのラットおよびヌードマウスを飼育したところ, 6カ月後においてもSPF状態が維持されていたことから, SPF動物を飼育・維持できるクリーンラックとしての有用性が見い出された。さらに, 可変照明装置についての有用性を検討すべく, 12時間の明期と暗期を逆にした2つのグループにおけるラットの摂水量および血中corticosterone値の日内変動を指標として検討を加えたころ, 両グループともにいずれも暗期に有意上昇を示し, 両グループの日内リズムの位相には完全な逆転が認められた。これらの成績は, 照明が生体のリズム, 生殖生理, 行動等に及ぼす影響を本クリーンラックを用いることにより, より明らかにすることができる可能性を示唆し, その有用性が明らかとなった。
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© 社団法人日本実験動物学会
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