抄録
解熱坐剤の効力をウサギを用いて検討するためにサーミスター式体温計の感温部を, 坐剤の漏出が防止できるように改良した。今回試作した感温部のうち, 3枚の円盤状ゴム栓を取付けた感温部では, 首架式保定器に保定した通常姿勢のウサギ直腸内に坐剤を投与したときの直腸からの薬物の漏出を完全に防止できた。また, 改良した感温部あるいは漏出防止栓のない従来の感温部を使用して, 細菌性発熱物質を投与したウサギ直腸温を測定したところ, 両感温部の検温性能に差はみられなかった。これらの結果から, 今回改良した感温部は解熱坐剤の効果を検討するために有用であると考えられた。