抄録
NOD雌マウスにおける顕性糖尿の自然発症に及ぼすウサギ抗マウス胸腺細胞血清 (ATS) ならびに抗Thy 1, 2モノクロナル抗体の影響をしらべた。70~100日齢の期間にてATS (4倍希釈液0.2ml) を連続3日間静注し, 165~195日齢までの発症を観察したところ, 無処置またはウサギ正常血清投与の対照群に比べ, 累積発症率は低く, 且つ, 発症が遅延されることが見出された。抗Thy 1, 2抗体を投与した場合も抑制は顕著であった。これらの結果から, NODマウスにおける糖尿の自然発症にはTリンパ球が関与していることが示唆される。