Experimental Animals
Online ISSN : 1881-7122
Print ISSN : 0007-5124
幼仔期カニクイザルの離乳後における飼育管理方法の改良
羽成 光二小松崎 克彦小川 浩美長 文昭本庄 重男
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1987 年 36 巻 3 号 p. 281-284

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抄録
離乳させた仔ザルを的確に育成・管理する方法として, 離乳直後の仔ザル4頭に成熟雌ザル1頭を4週間同居させる保母哺育法を考案し, 下痢発現率, 体重増等を指標とし離乳後9週間にわたり, 従来の方法 (保母なし, 仔ザルのみ同居) と利害得失を比較検討した。毎日の下痢個体発現率は保母群 (38群, 152頭) で平均2%, 保母なし群 (13群, 52頭) で平均13%であった。また, 3日間以上継続する下痢個体の出現頻度は, 保母群では約16%であったのに対し, 保母なし群では約47%であった。すなわち保母同居により離乳後の仔ザルの下痢発現率を顕著に減少させることができ, 結果として下痢の処置に要する作業量が激減し, 本方法の実際的有用性が示された。なお, 体重増に関しては両群間で差はなかった。
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© 社団法人日本実験動物学会
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