Experimental Animals
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酵素標識プロテインAを用いたELISA法によるマウスおよびモルモット血清中のセンダイウイルス抗体の検出
高倉 彰鍵山 直子桜井 美典鈴木 宏和小林 憲明寺田 英司
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1988 年 37 巻 3 号 p. 279-283

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抄録
Horseradish peroxidase (HRPO) 標識protein Aを用いたELISA (P-ELISA) によるセンダイウイルス (SV) 抗体の検出法を確立した。SV自然感染コロニーのマウスについてP-ELISAと赤血球凝集抑制試験 (HI test) による抗体検出率を比較したところ, HI testでは60%の個体が抗体価1: 10以上の陽性を示したのに対してP-ELISAの場合は, 陽性限界を血清希釈1: 40でOD (492nm) 0.2に設定すると検出率は90%に達した。また, 自然感染マウスのP-ELISAによる抗体価はHI testより100~1, 000倍高値を示した。つぎに, SV自然感染マウス, ラット, モルモット血清に対するP-ELISAとHRPO標識IgGを用いたELISA (IgG-ELISA) の反応性を比較した結果, 両者はマウス, モルモット血清に対して同等の抗体検出感度を示したが, IgG-ELISAでは低希釈 (1: 10~20) の非感染血清に非特異発色が認められた。また, P-ELISAではラットのSV抗体を検出することはできず, IgG-ELISAでのみ陽性反応を認めた。
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© 社団法人日本実験動物学会
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