Experimental Animals
Online ISSN : 1881-7122
Print ISSN : 0007-5124
ラットの授乳行動における鋤鼻器の役割について
斎藤 徹五十嵐 章之外尾 亮治若藤 靖匡高橋 和明
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1990 年 39 巻 1 号 p. 109-111

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抄録
ラットの母性行動において最も本質的である授乳行動における鋤鼻器の役割について検討した。WistarImamichi雌ラットの鋤鼻器を生後10~12週齢で剔出した。術後1週より膣垢を採取し, 雄との交配を行い, 妊娠および分娩を確認した。産仔数および新生仔の体重については鋤鼻器剔出群と偽手術群との間に有意な差異は認められなかった。授乳行動の程度を新生仔のミルクバンドの大きさにより分類した。その結果, 剔出群では観察期間中, ミルクバンドが認められない個体またはそれが認められても細い個体が高い割合を示した。これに対して偽手術群では, 全個体において太いミルクバンドが認められた。新生仔の死亡率は, これらの成績を反映して剔出群の方が有意に高い値を示した。
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© 社団法人日本実験動物学会
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