抄録
Polymerase chain reaction (PCR) を用いた特異的DNA増幅法により, M.pulmonisの検出を試みた。30サイクルの増幅後, ゲル電気泳動で増幅産物の検出を行ったところ, わずか1pgのM.pulmonis DNAが検出可能であった。一方, M.arthritidisおよびM.neurolyticumにおいては, 1μgのDNAからでさえ増幅産物は検出されなかった。さらに, 菌体浮遊液から直接増幅を行ったところ, 10CFUのM.pulmonisが検出可能であった。これらの成績より, M.pulmonisを直接検出するための高感度で特異的かつ迅速な手法としてのPCR法の有用性が示唆された。