Experimental Animals
Online ISSN : 1881-7122
Print ISSN : 0007-5124
照明の明暗時間帯逆転における雄ビーグル犬の血中テストステロンレベルの日内リズムヘの影響
福田 俊
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1990 年 39 巻 1 号 p. 65-68

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抄録
環境統御した室内で飼育している雄ビーグル犬の血中テストステロン (T) レベルは12時に最低値を示し, その後上昇して, 18~6時の間では高く維持され, 以後12時までに下降するcircadianリズムを示すことを前回報告した。本実験では, このcircadianリズムを演出している1因と考えられた照明における明暗の時間帯を逆転して, その効果について検討した。実験動物は2歳齢の雄ビーグル6頭を用いた。通常の照明時間帯である8時~20時の照明と20時~8時の消燈時間の明暗を逆転させた後54週まで, 1~5週間隔で, Tレベルの変化を観察した。日内の採血は6, 12, 18および24時に行った。明暗逆転から54週後まで, Tのcircadianリズムのパターンは不変であった。また各採血時刻ごとのTレベルにも明確な変化はみられなかった。以上の結果から, 雄犬のTのcircadianリズムは少なくとも照明の時間帯の変化によって大きな影響を受けないことが本実験で認められた。
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© 社団法人日本実験動物学会
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