Experimental Animals
Online ISSN : 1881-7122
Print ISSN : 0007-5124
モンキーチエア拘束がアカゲザルの血漿酵素活性値に及ぼす影響
龍味 哲夫小松 博道安達 二朗
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1990 年 39 巻 3 号 p. 353-359

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抄録

中国産アカゲザルを対象に8時間にわたるモンキーチェア拘束が, 血漿酵素活性値に及ぼす影響について検討を行った。その結果, 拘束開始3時間後にCKの有意な上昇が, 8時間後にはLDHの有意な上昇が認められた。CK, GOT, GPTの上昇は拘束解放1~2日後にもみられ, 拘束の影響が解放後にまで及ぶことが明らかとなった。これらの上昇は, 拘束からのがれようとする全身運動による骨格筋由来の酵素逸脱と代謝機能の亢進が原因と考えられた。一方, 拘束により酵素活性値が上昇しなかった個体も一部存在し, チェア拘束の影響には個体差が目立った。以上の結果より, モンキーチェア拘束下で実験を実施するに際しては, 適切な馴化期間を設定すること, および馴化の程度を知るパラメータとして血漿酵素活性値等の生理値をモニターすることの必要性が示された。

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© 社団法人日本実験動物学会
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