抄録
実験動物用飼料の化学物質による汚染状況を知る一環としてマウス・ラット用飼料および同原料中のニトロソジメチルアミソ (NDMA) の分析を行い, また飼料を保管および加熱した場合のNDMAの推移について検討した。飼料中の平均含有量は10ppb以下であった。飼料原料ではアルファルファが高いNDMA含有量を示した。室温および低温中で保管した飼料中のNDMA量の増減に関しては, 6か月までは一定の傾向は認められなかった。飼料を加熱した場合は, 121℃では飼料中のNDMA量に大きな影響は認められなかった。以上のことから, 市販固型飼料中のNDMAによる動物実験への影響は少ないものと思われた。