抄録
腎性二次性上皮小体機能亢進症を示した高脂血症ラットを10, 14, 18, 22週齢時に病理学的に検索した。血液生化学的検査ではコレステロール, トリグリセライド, 燐脂質が10週齢から, 尿素窒素, クレアチニン, 無機リン, カルシウムが14週齢から上昇し, 加齢に従い重度となっていた。肉眼的には腎臓における腫大と表面の不規則化, ならびに上皮小体の腫大が14週齢からみられた。組織学的に, 骨において骨芽細胞の腫大と増加, 類骨の増加, セメントラインの増加と不規則化が14週齢から, さらに破骨細胞の増加が18週齢からみられた。上皮小体では腫大が14週齢から観察された。腎臓においては分節性糸球体硬化症が10週齢からみられ, 加齢に従い重度化していた。