Experimental Animals
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オオアシトガリネズミの嘔吐反応
松木 則夫鳥居 義史梶 隆英西山 信好石山 順一千田 昇齋藤 洋
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1993 年 42 巻 2 号 p. 225-228

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抄録
われわれは既に食虫目に属するスンクスがさまざまな催吐刺激により嘔吐することを報告した。本研究では, 食虫目でもスンクスとは異なるトガリネズミ亜科に属するオオアシトガリネズミ (Sorex unguiculatus) が催吐薬で嘔吐するかどうか検討した。ベラトリンの皮下注射や硫酸銅の経口投与により嘔吐することが観察された。組織学的検索より延髄最後野が両側性の構造をもつことが嘔吐するために重要ではないことが示された。嘔吐する能力は食虫目トガリネズミ科動物に共通に存在している可能性がある。また, オオアシトガリネズミは嘔吐することが明らかにされた哺乳動物の中で最小である。
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© 社団法人日本実験動物学会
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