抄録
自然発症てんかんラット (SER) およびzitterラットにおける視覚器障害と網膜ドパミン (DA) との関連について検討するため, 網膜におけるDAとその代謝産物である3, 4-ジヒドロキシフェニル酢酸 (DOPAC) およびホモバニリン酸 (HVA) の含量を測定した。Zitterラットの網膜では, 測定対象物質のいずれもがKyo: WistarラットあるいはSprague-Dawleyラットよりも低値を示した。これに対し, SERとKyo: Wistarラットとの間には著しい差は認められなかった。Sprague-Dawleyラットとの比較では, いずれもSERの方が高い値を示した。以上の結果より, zitterラットにおける視覚器障害は網膜のDA合成の減衰と何らかの関連があるが, SERでは関連がないことが示唆された。