Experimental Animals
Online ISSN : 1881-7122
Print ISSN : 0007-5124
ライノマウス乳腺の発育
螺良 愛郎森井 外吉池原 進
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1993 年 42 巻 4 号 p. 639-642

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抄録

ライノマウスは, ホモでは脱毛犀肌を呈するが, ヘテロのときは外観上正常である。ホモのメスは出産はするが子を育てることができず, 乳腺原基はもつがその発育はわるいとされている。しかし, 乳腺の詳細な観察はなされていないため, 生後1ヵ月より1年までのホモをヘテロのものと比較した。ホモの乳腺は1ヵ月令でterminal end bud, 3ヵ月令でlateral bud, 6ヵ月令でalveolar budを認めヘテロのものと発育に差はみない。また, 3ヵ月令よりマウス乳癌ウイルスの発現を認め, 7ヵ月令より過形成腺胞の出現も同様に認める。ホモの出産個体の乳腺には乳汁分泌像がみられ筋上皮も存在している。なお, ライノには汗腺も正常にみることにより, 皮膚・皮膚付属器の異常は脂腺毛包系に限局していることが判明した。

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© 社団法人日本実験動物学会
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