Experimental Animals
Online ISSN : 1881-7122
Print ISSN : 0007-5124
長期観察に基づく幼若, 成熟および老齢ラットにおける車回し運動ならびに移所運動活性の比較
篠田 元扶三浦 豊彦
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1994 年 43 巻 1 号 p. 79-84

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抄録
「自発運動」として, しばしば同義語のように用いられる車回し運動活性 (WRA) と移所運動活性 (AA) の差異について, 種々の日齢のラットを用いて, 長期間連続観察を行い検討した。各日齢のラットのWRAおよびAAは総て夜行性動物特有のリズムパターンを示した。WRAおよびAAは加齢と共に低下する傾向が認められ, 特にWRAにおいて著明であった。一般に実験に多用される成熟ラットのWRAはその1日量が安定するまでには測定装置収容後30日以上の期間を要した。また, 幼若時におけるAAは高値であった。以上の結果から, WRAおよびAAを観察指標とする行動薬理試験においては, 観察指標, 観察条件, 測定装置, 日齢等を十分考慮しなければならないことが示唆された。
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© 社団法人日本実験動物学会
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