1994 年 43 巻 5 号 p. 737-745
近交系として確立したWeiser-Maples系 (WM系) モルモットの尿, 血液および血液化学的検査ならびに器官重量の基礎データを収集するとともに市販のハートレイ系モルモットのStd: Hartley (H系) の各データと比較した。また, 尿比重測定法および遠心分離による尿検査値への影響について, 尿検査法の検討も併せて行った。尿比重については, 容積と重量から求めた実測値と屈折率から求めた比重との間に高い相関が認められた。遠心分離前の尿と分離後の尿上清を用いた尿検査成績には特に差は認められなかったが, 尿試験紙の測定では尿上清を用いた方がより正確な判定が出来ることが示唆された。尿, 血液および血液化学的検査ならびに器官重量の成績については, 尿検査における蛋白の陽性例がH系で0%に対し, WM系では38.9%と高率にみられ, 血液および血液化学的検査ならびに器官重量の測定では, H系と比べてWM系において高値または低値を示す測定項目が認められたが, それらはWM系の特徴とは考えられなかった。