Experimental Animals
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Methamphetamine連続投与ラットの体重, 飼料摂取量, 血液の生化学測定値および性周期の変動について
斉藤 正好寺田 賢斎藤 徹高橋 和明
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1994 年 43 巻 5 号 p. 747-754

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抄録
近年におけるMethamphetamine (MAP) 乱用者の増加は, 国内外において社会的問題となっている。MAP乱用者のモデルとして, ラットにMAP (0.1-10.0mg/kg/day) を連続投与し, 生理的諸機能におよぼす影響について検討した。MAPの連日投与により, 投与量に依存した体重の減少が認められた。飼料摂取量も同様に減少し, 投与約2週間目までは顕著であった。MAP投与終了後には飼料摂取量が増加し, 終了6日後までは特にその傾向が顕著に見られた。血清の生化学的測定値において, MAP (5mg/kg) の単一投与群では, 投与6時間後よりTP, TC, TG値の低下が見られ, 雌ラットに有意差 (TP, TC) を認めた。さらに, MAP連続投与群では雌雄ともにMAPの投与期間中, この傾向が持続した。このことより, MAPはタンパク質, 脂質およびアミノ酸の代謝系に抑制的に作用することが示唆された。また, 性周期はMAPの投与量に依存して不規則化が顕著となり, MAPが視床下部一下垂体系を介して性腺系に影響する可能性が推測された。
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© 社団法人日本実験動物学会
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