ファルマシア
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セミナー
光遺伝学(オプトジェネティクス)の応用
線虫の場合
岡 浩太郎
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2014 年 50 巻 10 号 p. 963-967

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抄録

表題の光遺伝学というネーミングは,技術の主要な開発者であったKarl Deisserothによるものである.光+遺伝学=光遺伝学(オプトジェネティクス)という造語であるが,これだけではどのような研究アプローチなのかは分からない.細胞や生物個体に外来遺伝子を導入させて発現させる際,その外来遺伝子産物(タンパク質)が外界の光のオン/オフによりその性質を変え,それによって細胞や生物個体の機能や振舞いを変えてしまうような技術と説明すれば,光遺伝学という言葉の意味も多少は理解できるのではないかと思うが,それでもやはり具体的なイメージはなかなか湧かないかもしれない.
この光遺伝学の技術は,神経科学の分野で現在爆発的な進展を見せている.本セミナーでは,まず光遺伝学とその主要な方法について概略を述べた後に,我々の研究室で進めている線虫を材料に用いた研究に焦点を絞り,光遺伝学研究の一端を示したい.

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© 2014 The Pharmaceutical Society of Japan
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