ファルマシア
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最新号
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目次
  • 2020 年 56 巻 8 号 p. 708-709
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/08/01
    ジャーナル フリー
    電子付録
    ミニ特集:喫煙と健康
    ミニ特集にあたって:喫煙が健康被害をもたらす影響は,国際的に周知のこととなってきている.我が国においても,健康増進法が2003年5月に施行され,さらには,2018年7月に本法の一部を改正する法律が成立し,2020年4月1日より全面施行された.これにより,受動喫煙を防止するための取り組みは,マナーからルールへとより厳格化される.このような社会的背景があるにもかかわらず,タバコをやめたくてもやめられない人は少なくない.その理由として,ニコチンの依存性だけでなく,タバコ使用によるストレス緩和効果やタバコの多様化(加熱式タバコなど)などが挙げられる.そこで本ミニ特集では,喫煙行動の善悪を考えるのではなく,科学的,客観的に検証することにより,「喫煙と健康」を包括的にとらえていきたいと考えている.
    表紙の説明:植物系の家紋は地味な家紋が多いが,可愛らしい植物系の家紋の代表とも言えるのが撫子紋である.こんな可愛らしい家紋を誰が使っていたか気になるところだ.戦国時代に「美濃のマムシ」と恐れられた斎藤道三の家紋は二頭立浪が有名だが,美濃守護代の斎藤家では代々撫子紋を使っていた.電子付録では,ナデシコ属の花に関する蘊蓄と撫子紋を使っていた著名人を写真を交えながら紹介する.
グラビア
オピニオン
  • 第140年会(京都)の通常開催中止を振り返って
    中山 和久
    2020 年 56 巻 8 号 p. 707
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/08/01
    ジャーナル 認証あり
    新型コロナウイルス感染症の拡大に伴って、第140年会(京都)の通常開催中止という異常事態になった。日本薬学会だけでなく、政府、自治体、企業、大学、病院などは、一度も経験したことがなく、明確な答えのない大問題に直面して難しい対応を迫られている。今こそ、問題解決能力の重要性が認識されている時期はないと思う。この困難な時期を乗り越えた薬学部・薬学研究科の学生たちが、確かな問題解決能力を身につけて、未来を支える人財になってくれればと思っている。
Editor's Eye
ミニ特集 セミナー
  • 橋本 洋一郎, 和田 邦泰
    2020 年 56 巻 8 号 p. 715-719
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/08/01
    ジャーナル 認証あり
    能動喫煙は脳卒中の危険因子となり、脳卒中発症の相対危険度はその用量に依存して増加し、中年層で最大の相対危険度を示す。脳梗塞(約2倍)とくも膜下出血(約3倍)では、喫煙は明らかな危険因子となっている。脳出血が喫煙で増加するとの報告もあるが、まだ危険因子としては確立されていない。45歳未満の女性では、経口避妊薬使用や前兆のある片頭痛などの危険因子をもつ場合は喫煙による脳卒中の危険性はさらに高くなる。受動喫煙も脳卒中の危険因子(1.25倍)となり、受動喫煙に安全なレベルは存在しない。禁煙により脳卒中の危険度は低下する。
ミニ特集 セミナー
ミニ特集 セミナー
ミニ特集 話題
ミニ特集 話題
ミニ特集 話題
最前線
最前線
  • 脊髄損傷患者に対する新たな幹細胞製剤
    本望 修
    2020 年 56 巻 8 号 p. 744-748
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/08/01
    ジャーナル 認証あり
    再生医療等製品である自己培養骨髄間葉系幹細胞製剤『ステミラック注』が、脊髄損傷患者の後遺症軽減のために、2018年12月、厚生労働省から世界で初めて『条件及び期限付承認』された。薬価がつき、保険収載されたので、公的健康保険と高額療養費制度等の制度が適応される。2019年5月より、実際に脊髄損傷患者の治療を開始している。現在、脊髄損傷以外にも適応拡大に向けて医師主導治験を実施中であり、本稿ではその概要も解説する。
最前線
  • 緑膿菌が分泌するヘムタンパク質で金属フタロシアニンを送り込む
    荘司 長三, 四坂 勇磨
    2020 年 56 巻 8 号 p. 749-753
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/08/01
    ジャーナル 認証あり
    緑膿菌の強かな生存戦略の1つにヘム(鉄分)を奪い取るシステムがある.これを逆手に取り,緑膿菌のヘム獲得機構を標的とする殺菌手法を考案した.緑膿菌の分泌するヘム獲得蛋白質に金属フタロシアニンが内包されることを見出した.金属フタロシアニンを内包したヘム獲得蛋白質を緑膿菌に投与すると,緑膿菌に金属フタロシアニンが取り込まれる.光増感剤のガリウムフタロシアニンを内包させたヘム獲得蛋白質を用いることで,緑膿菌を高選択的に光殺菌できる.薬剤耐性化のリスクを抑えた新たな作用機序の抗菌薬としての応用が期待される.
話題
話題
最前線
承認薬の一覧
  • 新薬紹介委員会
    2020 年 56 巻 8 号 p. 765
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/08/01
    ジャーナル 認証あり
    本稿では厚生労働省が新たに承認した新有効成分含有など新規性の高い医薬品について,資料として掲載します.表1は,当該医薬品について販売名,申請会社名,薬効分類を一覧としました.
    本稿は,厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課より各都道府県薬務主管課あてに通知される“新医薬品として承認された医薬品について”等を基に作成しています.今回は,令和2年5月7日付分の情報より引用掲載しています.また,次号以降の「承認薬インフォメーション」欄で一般名,有効成分または本質および化学構造,効能・効果などを表示するとともに,「新薬のプロフィル」欄において詳しく解説しますので,そちらも併せて参照して下さい.
    なお,当該医薬品に関する詳細な情報は,医薬品医療機器総合機構のホームページ→「医療用医薬品」→「医療用医薬品 情報検索」(http://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuSearch/)より検索できます.
承認薬インフォメーション
  • 新薬紹介委員会
    2020 年 56 巻 8 号 p. 766-771
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/08/01
    ジャーナル 認証あり
    本稿では既に「承認薬の一覧」に掲載された新有効成分含有医薬品など新規性の高い医薬品について,各販売会社から提供していただいた情報を一般名,市販製剤名,販売会社名,有効成分または本質および化学構造,効能・効果を一覧として掲載しています.
    今回は,56巻7号「承認薬の一覧」に掲載した当該医薬品について,表解しています.
    なお,「新薬のプロフィル」欄においても詳解しますので,そちらも併せてご参照下さい.
最終講義
前キャリアが今に生きること
留学体験記 世界の薬学現場から
トピックス
  • 浅井 彰太
    2020 年 56 巻 8 号 p. 778
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/08/01
    ジャーナル 認証あり
    近年,希少金属触媒の代替金属として,ニッケル(Ni)を金属触媒とする多くの有用な有機化学反応が開発されている.不安定なNi(0)を活性種とする反応では,反応系内でNi(II)から調製する,あるいは,不安定なNi(0)触媒を直接利用することが一般的であった.後者の代表的な例であるビス(1,5-シクロオクタジエン)ニッケル(0)[Ni(COD)2](図1-A)は,酸素に不安定なため,使用時はグローブボックス内での作業が必須であり,取り扱いが煩雑である.
    今回,Cornellaらは配位子構造の修飾により,空気中で安定なNi(0)触媒を開発したので紹介する.
    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
    1) Tassone J. P. et al., Angew. Chem. Int. Ed., 58, 2485-2489(2019).
    2) Everson D. A. et al., J. Am. Chem. Soc., 132, 920-921(2010).
    3) Nattmann L. et al., Nat. Catal., 3, 6-13(2020).
    4) Nattmann L. et al., J. Am. Chem. Soc., 140, 13628-13633(2018).
  • 佐藤 伸一
    2020 年 56 巻 8 号 p. 779
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/08/01
    ジャーナル 認証あり
    ケミカルプロテオミクスは,共有結合修飾されたタンパク質に焦点を当てたタンパク質・アミノ酸残基の機能解析手法である.タンパク質存在量でなく活性,機能に着目した解析が可能である.例えば,セリン加水分解酵素の活性プロファイリング等では,酵素活性に基づく有益な情報が取得できる.
    今回Hsuらは,チロシン残基に対して選択的に共有結合を形成できるプローブを開発し,これを用いて3,700種以上のタンパク質,10,000か所以上の修飾サイトを検出,解析したので紹介する.
    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
    1) Liu Y. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 96, 14694-14699(1999).
    2) Hahm H. S. et al., Nat. Chem. Biol., 16, 150-159(2020).
    3) Dong J. et al., Angew. Chem. Int. Ed. 53, 9430-9448(2014).
    4) Adibekian A. et al., Nat. Chem. Biol., 7, 469-478(2011).
  • 増井 涼
    2020 年 56 巻 8 号 p. 780
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/08/01
    ジャーナル 認証あり
    生薬センソは,アジアヒキガエルBufo gargarizans CantorまたはB. melanostictus Schneiderの鼓膜後部の耳腺から出る乳白色の分泌物を集めて濾して成形し,乾燥したものである.日本薬局方において,センソの品質管理指標成分としてはブフォステロイド(ブファジエノリド型ステロイド,BFS)に分類されるブファリン,シノブファギンおよびレジブフォゲニンが設定され,その総量が5.8%以上と規定されている.BFS類には強心,局所麻酔,抗炎症作用等の薬理作用が知られており,センソの薬効の中心的な役割を担う.しかし,ヒキガエルが分泌するBFS類は外敵から身を守るための化学防御物質であり,組成や含量は産地によって大きく異なることが報告されている.また,ヒキガエルにおけるBFS類の生合成機構はほとんど明らかにされていないため,養殖による成分管理は非常に難しい.今回そのような状況に光明をもたらす研究成果として,Caoらによる,地理および気候的変化がアジアヒキガエル耳腺分泌物の成分組成に与える影響についての報告を紹介する.
    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
    1) Zhang P. et al., Chem. Pharm. Bull., 53, 1582-1586(2005).
    2) Cao Y. et al., Sci. Rep., 9, 17236(2019).
    3) Bókony V. et al., J. Chem. Ecol., 42, 329-338(2016).
  • 村山 周平
    2020 年 56 巻 8 号 p. 781
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/08/01
    ジャーナル 認証あり
    MicroRNA(miRNA)はmRNA分解またはRNA誘導サイレンシング複合体(RISC)を介して,遺伝子の翻訳阻害・抑制する内因性調節因子である.また,20~25塩基対程度の大きさを有するノンコーディングRNAの一種でもある.miRNAの生理学的プロセスは,細胞の発生,分化,増殖,細胞死などに関与している.その作用は標的遺伝子との結合に大きく依存しているが,その結合はmiRNAと遺伝子で1対1のみで対応せず,1つのmiRNAで複数の標的遺伝子,もしくはその逆のこともある.このことが,miRNAの機能解析や解明を困難にしている.
    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
    1) Zhang P. et al., Anal. Chem., 91, 15740-15747(2019).
  • 宇野 恭介
    2020 年 56 巻 8 号 p. 782
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/08/01
    ジャーナル 認証あり
    脳は適応行動を導くため,神経活動をパターン化し,外部の世界観を表現する.脳の多くの領域では,個々の皮質ニューロンが,物体や空間位置の認識など,それぞれの領域の機能に見合った認知や適応に関与している.なかでも意思決定に関与している前頭野では,その神経応答は複雑さと多様性を極める.意思決定時の前頭皮質における表現構築の理解は,視覚など単純な認知機能を定義することよりも困難である.また,前頭葉から得られた神経データは解釈の可能性が無数にあり得ることから,特定の認知機能を選択的に解析する行動実験の構築は更に困難であり,現在まで意思決定が単一のニューロンで理解できるかどうか,もしくは神経集団分析が必要かどうかも不明である.
    本稿では,ラットを用いて意思決定に重要な役割を担う眼窩前頭皮質(OFC)の神経活動が,計算モデル上でのいくつかの変数の適切な組み合わせで説明できることを示したHirokawaらの研究成果を報告する.
    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
    1) Rigotti M. et al., Nature, 497, 585-590(2013).
    2) Mante V. et al., Nature, 503, 78-84(2013).
    3) Hirokawa J. et al., Nature, 576, 446-451(2019).
    4) Shi J., Malik J., IEEE Trans. Pattern Anal. Mach. Intell., 22, 888-905(2000).
  • 山下 弘高
    2020 年 56 巻 8 号 p. 783
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/08/01
    ジャーナル 認証あり
    生物は進化の過程において数々の食糧難に直面し,それを克服するために糖や脂肪などのエネルギー源を無駄なく再利用するシステムを獲得してきたが,飢餓状態での生体防御,特に免疫システムの役割については未知の部分が多く残る.本稿では,飢餓状態を模したカロリー制限マウスにおいて,メモリーT細胞が脾臓などの二次リンパ組織から骨髄へ移動し,エネルギーの消費を抑えつつ,病原体への感染に備えた状態になることを明らかにしたCollinsらの論文を紹介する.
    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
    1) Collins N. et al., Cell, 178, 1088-1101(2019).
    2) Han S. J. et al., Immunity, 47, 1154-1168(2017).
    3) Maurya R et al., Front. Immunol., 9, 2741(2018).
  • 松本 謙吾
    2020 年 56 巻 8 号 p. 784
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/08/01
    ジャーナル 認証あり
    毛髪は法科学分野において,薬物乱用を判断する重要なサンプルの1つである.毛髪は尿や血液と比較し,薬物の検出が可能な期間が長く,その検出部位によって摂取時期を特定することも可能である.また合成カンナビノイドは,カンナビノイド受容体に結合し作用する合成物質の総称である.カンナビノイド受容体は主に脳内に存在するcannabinoid receptor 1(CB1)と,免疫系の細胞に含まれるcannabinoid receptor 2(CB2)に大きく分けられる.大麻に含まれるΔ9-THCや合成カンナビノイドは,CB1に結合することで鎮静,多幸感,記憶障害などの中枢作用の発現に関与する.また,合成カンナビノイドは規制から逃れるため,一部の構造を変化させた類似物質が合成されてきた経緯から,多くの種類が存在する.そのため,既存の分析法で対応できない薬物も多く,地域による乱用傾向に即した新たな分析方法の構築が望まれた.そこで今回,Choらによる合成カンナビノイドおよびその代謝物の,人毛中からの同時定量法について紹介する.
    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
    1) Shima N. et al., YAKUGAKU ZASSHI, 139, 705-713(2019).
    2) Vardakou I. et al., Toxicol. Lett., 197, 157-162(2010).
    3) Cho B. et al., Forensic Sci. Int., 306, 110058(2020).
    4) Hutter M. et al., J. Chromatogr. B., 903, 95-101(2012).
  • 西村 友宏
    2020 年 56 巻 8 号 p. 785
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/08/01
    ジャーナル 認証あり
    妊娠高血圧症は妊娠中に発症する高血圧の総称で妊婦の5~8%に発症することが知られる.中でも妊娠高血圧腎症は,タンパク尿,臓器不全,胎盤機能不全を伴うことが知られ(ただし,2018年のガイドライン改定によりタンパク尿は診断要件から外れた),特に重篤である.
    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
    1) Herraiz S. et al., BJOG., 119, 1394-1402(2012).
    2) Yoshikawa K. et al., Am. J. Hypertens, 31, 89-96(2017).
    3) Maki S. et al., J. Clin. Med., 8, 856(2019).
    4) Hawkes N., BMJ., 362, k3247(2018).
    5) Furuhashi F. et al., J. Matern Fetal Neonatal Med., 17, 1-7(2019).
    6) Walton R. B. et al., Hypertension, 72, 167-176(2018).
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