ファルマシア
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最新号
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目次
  • 2019 年 55 巻 3 号 p. 190-191
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/03/01
    ジャーナル フリー
    特集:ドラッグリポジショニング研究の現状と今後の展望
    特集にあたって:ドラッグリポジショニングとは,特定の疾患に有効な治療薬から別の疾患に有効な新たな薬効をみつけだすという研究手法である.安全性が確保されている既存の治療薬を新薬として利用するため,その手法が注目されている.本特集では,iPS細胞や大規模な医療情報(データベース)を活用して独創性の高いドラッグリポジショニング研究を推進されている先生方に執筆していただくことにより,本研究の利点や問題点,今後の展望などについて考えてみたい.
    表紙の説明:特定の疾患に有効な治療薬から,別の疾患に有効な新たな薬効をみつけだすという研究手法を,「治療薬のリサイクル」というイメージで表現した.
オピニオン
  • 井上 和秀
    2019 年 55 巻 3 号 p. 189
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/03/01
    ジャーナル 認証あり
    サイエンスが急速な進歩を遂げている現在でも、新薬開発には多額の経費と10数年以上の開発期間を要する。しかし患者の苦しみは今ここにあり、そういう患者救済の一工夫として、既承認薬の中から創薬シーズを探索する試みをエコファーマと称して2007年以来実践してきた。地球環境に優しい化学合成手法のグリーンケミストリーと合体し、グリーンファルマにバージョンアップした。既存薬の適応拡大という視点からはドラッグリポジショニング(DR)の動きが加速してきた。両者ともに既存薬の有効活用という同じ結果を生む。地球と人に優しいグリーンファルマの発展を望む。
Editor's Eye
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話題
  • 浦島 博樹, 櫻井 一志
    2019 年 55 巻 3 号 p. 233-235
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/03/01
    ジャーナル 認証あり
    ドラッグリポジショニング(DR)とは,既存薬の新たな薬理作用を発見し,別の疾患の治療薬として適応拡大する,あるいは既存薬の薬理作用・副作用の発症機序を解明し,より強い薬理作用の薬剤・副作用の少ない薬剤を開発する研究であり,新薬開発に必要な時間と費用を軽減し,成功確率を高めるメリットがある.
    我々は,胃潰瘍・胃炎の治療薬として開発されたレバミピドのムチン増加作用に着目し,新しいタイプのドライアイ治療薬としてDRに成功した.本稿では胃薬から目薬へのDRの実例とその有用性を紹介する.
話題
話題
承認薬の一覧
  • 新薬紹介委員会
    2019 年 55 巻 3 号 p. 242
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/03/01
    ジャーナル 認証あり
    本稿では厚生労働省が新たに承認した新有効成分含有など新規性の高い医薬品について,資料として掲載します.表1は,当該医薬品について販売名,申請会社名,薬効分類を一覧としました.
    本稿は,厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課より各都道府県薬務主管課あてに通知される“新医薬品として承認された医薬品について”等を基に作成しています.今回は,平成31年1月8日付分の情報より引用掲載しています.また,次号以降の「承認薬インフォメーション」欄で一般名,有効成分または本質および化学構造,効能・効果などを表示するとともに,「新薬のプロフィル」欄において詳しく解説しますので,そちらも併せて参照して下さい.
    なお,当該医薬品に関する詳細な情報は,医薬品医療機器総合機構のホームページ→「医療用医薬品」→「医療用医薬品 情報検索」(http://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuSearch/)より検索できます.
承認薬インフォメーション
  • 新薬紹介委員会
    2019 年 55 巻 3 号 p. 243-245
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/03/01
    ジャーナル 認証あり
    本稿では既に「承認薬の一覧」に掲載された新有効成分含有医薬品など新規性の高い医薬品について,各販売会社から提供していただいた情報を一般名,市販製剤名,販売会社名,有効成分または本質および化学構造,効能・効果を一覧として掲載しています.
    今回は,54巻12号「承認薬の一覧」に掲載した当該医薬品について,表解しています.
    なお,「新薬のプロフィル」欄においても詳解しますので,そちらも併せてご参照下さい.
くすりの博物館をゆく
日本人が知らないJAPAN
トピックス
  • 熊田 佳菜子
    2019 年 55 巻 3 号 p. 250
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/03/01
    ジャーナル 認証あり
    芳香環のトリフルオロメチル化は代謝安定性や脂溶性の向上が期待できるため,創薬や農芸化学の分野で注目されている.近年,遷移金属触媒を用いたカップリング反応によるハロゲン化アリールへのトリフルオロメチル基の導入が盛んに研究されており,豊富に存在する安価な銅(Cu)が遷移金属触媒として多用されている.しかし,酸化的付加によるCu(Ⅲ)-アレーン種の形成過程に高温を必要とするため,基質適用範囲に制限があった.一方,最近MacMillanらは,系内で発生したアリールラジカルを銅が捕捉する形式でCu(Ⅲ)-アレーン種が生成することを見いだし,温和な条件での臭化アリールのトリフルオロメチル化反応を達成したので,本稿にて紹介する.
    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
    1) Le C. et al., Science, 360, 1010-1014(2018).
    2) Zhang P. et al., J. Am. Chem. Soc., 138, 8084-8087(2016).
  • 枡田 健吾
    2019 年 55 巻 3 号 p. 251
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/03/01
    ジャーナル 認証あり
    プロセスケミストリーの現場では,「避けるべき試薬」と「その試薬を避けられない状況」のジレンマにしばしば遭遇する.本稿では,Liらが報告した,非小細胞肺がん治療薬ロルラチニブ(1)の初期プロセス開発について,巧みな縮合剤選択と安全性評価によって,プロセス開発における「ジレンマ」を克服し,迅速な原薬供給に結びつけた例を紹介する.
    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
    1) Li B. et al., Org. Process Res. Dev., 22, 1289-1293(2018).
    2) Sang J. et al., J. Med. Chem., 57, 4720-4744(2014).
    3) Dunetz J. R. et al., Org. Process Res. Dev., 20, 140-177(2016).
  • 政田 さやか
    2019 年 55 巻 3 号 p. 252
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/03/01
    ジャーナル 認証あり
    天然物に由来する生薬は多成分系であり,基原が同一種であっても遺伝的多様性や環境要因,生育履歴,加工方法によって品質に差が生じるために,医薬品としての規格化が容易でないことは想像に難くない.科学技術の進歩とともに,生薬の品質は,外部・内部形態による基原の確認,TLCによる化学成分の組成確認,HPLCによる指標成分の定量等により科学的に評価されるようになったが,品目内での格付けは,未だに五官(視覚,聴覚,触覚,味覚,嗅覚)に基づく経験的鑑別法によるところが大きい.しかし,生薬の格付けは共通の基準がなく,専門家の間でも見解が異なる上,格付け機会の減少による技能低下や継承不足も懸念されている.今回,生薬ゴミシを対象として,熟練の鑑別士による生薬の格付けの主要因子を解明し,品質評価カードを作成することによって,専門家と同様の格付けを未経験者にも可能にした報告がなされたので紹介する.
    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
    1) Zhou Y. et al., Sci. Rep., 132, 5695(2018).
    2) Jones J., Hunter D., BMJ, 311, 376-380(1995).
    3) 今井俊司ほか,日東洋医会誌,21, 100-103(1970).
    4) 山路 昭ほか,病院薬学,13, 1-5(1987).
  • 髙野 勇太
    2019 年 55 巻 3 号 p. 253
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/03/01
    ジャーナル 認証あり
    細胞や組織の光イメージングにおいてしばしば問題となるのは,自家発光由来のバックグラウンドノイズである.この解決のために,二光子励起を用いた高効率発光材料や,自家発光の少ない長波長近赤外領域(NIR-Ⅱ:1,000〜1,700nm)の利用など,様々なアプローチが行われている.本稿で紹介するPark J.らの報告は,金属有機構造体(metal organic framework: MOF)内の光エネルギーリレーに引き続き起こる三重項-三重項消滅(triplet-triplet annihilation: TTA)を巧みに利用して,アップコンバージョン発光を高効率(高量子収率)で利用したin vivoイメージングを実証した.
    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
    1) Biju V., Chem. Soc. Rev., 43, 744-764(2014).
    2) Park J. et al., J. Am. Chem. Soc., 140, 5493-5499(2018).
    3) Furukawa S. et al., Chem. Soc. Rev., 43, 5700-5734(2014).
    4) Yanai N. et al., Acc. Chem. Res., 50, 2487-2495(2017).
  • 石井 智裕
    2019 年 55 巻 3 号 p. 254
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/03/01
    ジャーナル 認証あり
    成体ほ乳類の心臓は,一度損傷を受けると再生することができず,繊維芽細胞の増殖やコラーゲン線維の沈着により瘢痕を形成し,結果的に心不全に陥る.一方,Zebrafishやメキシコサンショウウオ(Ambystoma mexicanum: Axolotl)などの下等脊椎動物,および生後7日までの新生仔マウスでは,心筋傷害を与えても,機能的に完全回復するまで再生することが知られている.1, 2)本稿では,魚類からほ乳類まで進化的に保存されている心筋再生の機構に関わる分子を同定した研究を紹介する.
    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
    1) Uygur A. et al., Dev. Cell, 36, 362-374(2016).
    2) Porrello E. R. et al., Science, 331, 1078-1080(2011).
    3) Natarajan N. R. et al., Circulation, 137, 2152-2165(2018).
    4) Wang J. et al., Nucleic Acids Res., 41. W77-W83(2013).
    5) Kimura Y. et al., J. Immunol., 170, 2331-2339(2003).
  • 鈴木 裕可
    2019 年 55 巻 3 号 p. 255
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/03/01
    ジャーナル 認証あり
    マラリアは蚊が媒介するマラリア原虫による感染症である.全世界で毎年約2億人が感染し,約40万人以上が死亡していると推計されている.マラリアの症状として発熱,頭痛,嘔吐などが挙げられ,サハラ以南のアフリカを中心に世界約100か国余りで流行している.マラリアによる犠牲者は5歳未満の小児が大多数であり,生存に有利な遺伝形質が残存してきた.その例として,溶血性貧血の一種である遺伝性の鎌状赤血球貧血症が挙げられる.
    Piezoチャネルは,2010年に報告された機械刺激受容チャネルである.Piezo1とPiezo2が存在し,Piezo1が肝臓や皮膚細胞で多く発現することや,血管形成に重要な役割を担うことが報告されている.これまでに,機能亢進型Piezo1(R2456H)が,カルシウム活性化カリウムチャネルKCa3.1の活性化を介したカリウムと水の排出により赤血球の脱水を起こすため,先天性の溶血性貧血である遺伝性乾燥赤血球症のリスクを高めることが報告されている.また,脱水した赤血球はマラリア感染に抵抗性を示すことが報告されており,赤血球の脱水がマラリア感染に対する防御メカニズムの1つであることが示唆されていた.
    今回,マラリアの流行するアフリカ地域において,高い確率でPiezo1の機能亢進型変異が見られ,マラリア抵抗性を獲得していることが報告されたので紹介したい.
    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
    1) Li J. et al., Nature., 515, 279-282(2014).
    2) Albuisson J. et al., Nat. Commun., 4, 1884(2013).
    3) Tiffert T. et al., Blood., 105, 4853-4860(2005).
    4) Ma S. et al., Cell., 173, 443-455(2018).
  • 領家 克典
    2019 年 55 巻 3 号 p. 256
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/03/01
    ジャーナル 認証あり
    サルコペニアは,骨格筋量と骨格筋力が加齢に伴い低下した状態と定義され,我が国では65歳以上の高齢者の約20%が発症しているとの報告がある.加齢性サルコペニアによる運動機能の低下は,転倒による骨折リスクを増加させるだけでなく,認知症やうっ血性心不全,骨粗しょう症の危険因子にもなると考えられ,急速に高齢化が進む我が国において,看過できない問題となっている.
    近年,Vinelらが実施したコホート調査において,筋肉量の低下した高齢者では血中アペリン濃度が低下していることが明らかにされ,アペリンと加齢性サルコペニアとの関連が疑われた.アペリンは13〜36アミノ酸残基からなるペプチドであり,Gタンパク質共役受容体APJの内因性リガンドとして立元らによって発見され,これまでに血圧低下作用や血管新生作用など,様々な生理作用を有することが明らかになっている.本稿では,加齢性サルコペニアとアペリンの関連について,詳細な解析を行ったVinelらの論文を紹介する.
    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
    1) Yamada M. et al., J. Am. Med. Dir. Assoc., 14, 911-915(2013).
    2) Vinel C. et al., Nat. Med., 24, 1360-1371(2018).
    3) Tatemoto K. et al., Biochem. Biophys. Res. Commun., 251, 471-476(1998).
    4) Hepple R. T., Front. Aging Neurosci., 6, 211(2014).
  • 歌野 智之
    2019 年 55 巻 3 号 p. 257
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/03/01
    ジャーナル 認証あり
    急性リンパ性白血病の治療薬であるメルカプトプリン(mercaptopurine: MP)は,臨床効果や有害事象の個体差が大きいことが知られている.個体差の原因として,thiopurine S-methyltransferase(TPMT)の遺伝子多型の存在が報告されたが,我が国ではTPMT変異のアレル頻度は低く,個体差の原因を説明することはできなかった.そのような状況の中,2015年にYangらは小児白血病患者において,新たなMPの個体差に関わる因子として,nudix hydrolase 15(NUDT15)の遺伝子多型を報告した.NUDT15はMPの活性代謝物であるthioguanine triphosphate(TGTP)を脱リン酸化する酵素であり,NUDT15変異例は酵素活性が低く,TGTPが増加しMPの感受性が高いことが示唆されている.しかし,NUDT15変異例に対して,治療効果を減弱せずにどの程度MPを減量すべきか不明であった.本稿では,Nudt15変異マウスを作製してMP投与量別に有効性や毒性を検証した論文を紹介する.
    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
    1) Weinshilboum R. M. et al., Am. J. Hum. Genet., 32, 651-662(1980).
    2) Yang J. J. et al., J. Clin. Oncol., 33, 1235-1242(2015).
    3) Nishii R. et al., Blood., 131, 2466-2471(2018).
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