2014 年 50 巻 10 号 p. 998_3
マイコプラズマは常在微生物であり,マイコプラズマ肺炎という特殊な肺炎を引き起こす.理由は明確になっていないが,4年に1回程マイコプラズマ肺炎の流行年がある.常在微生物であるが故に培養細胞に感染することもあり,感染した多くの場合には細胞を死滅させることなく細胞と共存して生存し続ける.マイコプラズマに汚染された細胞は,多かれ少なかれ遺伝子の転写・翻訳,蛋白の代謝等々様々な細胞動態に影響が出ることは確実であり,研究材料としては不適切なものである.マイコプラズマ汚染された細胞を通常の顕微鏡観察だけで検出することは不可能であり,長期培養細胞に関しては,DNA染色法等の検査を定期的に実施することが必須である.