2014 年 50 巻 9 号 p. 867-871
創薬ターゲットの大半を占めるGタンパク質共役型受容体(G protein-coupled receptor:GPCR)はこれまで広く注目されてきた.その中でも特に,その重要な生理機能から脂肪酸受容体の研究は,近年大きく進展している.例えば最近,この脂肪酸受容体のうちのGPR120がヒトの肥満の原因遺伝子であり,その一塩基変異が肥満と密接に結びつくことが明らかになっている.このことを含め,現在,機能解析が行われている各種脂肪酸受容体について,我々の研究成果を含めた最近の知見と糖尿病や肥満などに代表される生活習慣病の創薬ターゲットとしての展望も含めて概説する.