2017 年 53 巻 6 号 p. 596
重久浩樹博士は,武蔵野大学薬学部に講師として赴任している.以下に研究成果の概要を紹介する.
Trichodermatide Aは高度に酸素化された五環性の海洋性天然物である.ヘミアセタール構築を立体選択的に行い,初の全合成を達成した.さらに,本化合物の真の構造を決定することに成功した.また,ラジカル種に着目して研究を開始し,オレフィンのマルコフニコフ選択的ヒドロフッ素化反応とヒドロアルコキシル化反応を開発した.さらに,含窒素ヘテロ環構築と分子内ヒドロアリール化反応も見出している.