ファルマシア
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ミニ特集 最前線
甘草の副作用,偽アルドステロン症 真の原因物質探索
石内 勘一郎森永 紀吉野 鉄大
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2022 年 58 巻 12 号 p. 1130-1134

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抄録

偽アルドステロン症は、漢方薬の副作用として最も発症頻度が高いものの一つとして知られる。この副作用の原因物質は、甘草の主要成分であるグリチルリチン酸 (GL)が腸内細菌により加水分解して生じるグリチルレチン酸 (GA)とされてきたが、近年、真の原因物質候補として3-モノグルクロニルグリチルレチン酸 (3MGA)の可能性が推測された。筆者らは、3-MGA説の検証および偽アルドステロン症の予防法確立を目指した3-MGA検出キット開発研究の過程で、新たなGL代謝物 (GA3S)を発見した。本稿では、これまでの経緯を含め、偽アルドステロン症に関する真の原因物質探索研究と今後の展望について紹介する。

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© 2022 The Pharmaceutical Society of Japan
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