ファルマシア
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Ni触媒を用いた末端アルケンの1,1-アミノホウ素化反応
髙野 秀明
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2024 年 60 巻 4 号 p. 340

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抄録
Ni触媒を用いたアルキンの二官能基化反応は,単純なアルケンを原料として官能基化されたsp3炭素骨格を構築できる極めて有用な反応である.現在までに,Ni触媒を用いた1, 2-二官能基化反応やチェーンウォーキングを用いる1, n-二官能基化反応が数多く報告されている.一方,1, 1-二官能基化反応に関しては,炭素原子を導入する反応がいくつか報告されているが,2つのヘテロ原子をアルケンの同一炭素上に導入する1,1-二官能基化反応はほとんど報告されていない.今回TalaveraらはNi触媒を用いたアルケンの1, 1-アミノホウ素化反応により,単純なアルケンからα-アミノ酸の生物学的等価体であるα-アミノホウ酸を合成することに成功したので,本稿で紹介する.
なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
1) Maity S. et al., Nat. Catal., 2, 756–762(2019).
2) Ye, Y. et al., Org. Biomol. Chem., 20, 9255–9271(2022).
3) Talavera L. et al., ACS Catal., 13, 5538–5543(2023).
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© 2024 The Pharmaceutical Society of Japan
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