2025 年 61 巻 11 号 p. 969
天然化合物は創薬資源として大きな足跡を残してきた。しかし、天然素材からの創薬事業は効率が悪いことから、企業はこの創薬戦略から撤退しているのが現状である。天然化合物は構造的多様性をもとに多彩な生物活性を示すことから、創薬シーズとして依然高い潜在性を有する。アカデミア研究者は、従来の探索方法に加え、天然物生合成遺伝子情報をもとに新しい天然化合物を創製することを可能にしている。今後、このような天然化合物をもとに、アカデミア研究者自らが創薬に踏み込んで行くことが重要である。