森林遺伝育種
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原著論文
本州太平洋岸におけるミズナラ(Quercus mongolica var. crispula)を主体とするPrinus節の2つの葉緑体ハプロタイプの分布境界
原田 光 Fifi Gus DwiyantiLiu Huan Zhen
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2014 年 3 巻 1 号 p. 1-7

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抄録

ミズナラとPrinus節の近縁種 3種は 9つの葉緑体ハプロタイプを共有しているが、このうち Haplotype IとHaplotype IIは東北日本に、Haplotype III~Haplotype IXは西南日本に分布する。太平洋岸における二つのグループの境界を特定するために房総半島および箱根-小田原市周辺でそれぞれコナラとミズナラのサンプリングを行いtrnQ-trnS spacer領域の配列を決定した。これに合わせて既知の葉緑体ハプロタイプの同領域の配列を決定し、得られた変異をもとにハプロタイプの再定義を行った。この結果、市原市ではHaplotype IとHaplotype IIが混在し、箱根金時山ではHaplotype IIとHaplotype IIIが混在していた。これは南北のグループの太平洋岸の境界が箱根周辺にあり、Haplotype Iの分布境界が市原市周辺にあることを示唆する。

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© 2014 森林遺伝育種学会

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