抄録
絹に結合した光学的プローブ, 5-ジメチルアミノー1-ナフタレンスルホニル基の酸塩基平衡を蛍光測定によって水および0.1MNaCl中で検討した。結合したプローブのみかけのpK値は水溶液中でのプローブ自身のそれよりも小さく,また,溶液のpHが低下するにしたがって低下した。この結果は, Gilbert-Rideal説およびPeters-Speakman説において水素イオンの化学ポテンシャルと繊維相の電気ポテンシャルを考慮することによって説明することができ〓。一方,絹に対する水素イオンのみかけの親和力を吸着実験から求あた。その親和力の値とプローブのpK値の比較から繊維相にある水素イオンの活量係数は水溶液中のそれにくらべておよそ80%に減少していることを示した。