抄録
一般に多層構造をもつ材料は,均一成型材料に比べて層状界面で外力を緩和させる効果が働らくため,衝撃強度を大きく改善することが知られている。また高分子材料を延伸により配向させ,高次構造を制御することにより,力学物性の著しい向上が望める。
本研究ではこの二つの効果を同時に取入れた高分子材料を設計し力学物性の洵土を計ることを目的とした。すなわち,延伸ポリエチレンフィルムを積層し,熱処理によって積層フィルム間を融着して,フィルム間の接着強度を変化させた積層材の力学物性を測定した。その結果積層フィルムの最適処理条件は108°Cであることが見出された。得られた熱処理積層フィルムは市販のポリエチレンおよび塩化ビニルパイプに較べると5倍以上の衝撃強度を示した。