光回折パターン中のピーク強度の2次元的な配列から,織物の織組織を決める解析手段を述べ,実際実験で基本組織である平織,斜文織と朱子織の3つを対象にして,これらの組織の識別をした。織組織の意匠図と回折パターンとの関係は次の3つにまとめられる。
(1) 織組織の繰返し単位としての構造は,回折面上でつくられる隣合った経糸と緯糸からなる矩形(単位セル)中で観測される。
(2) 織絹織の繰返し単位中の糸の本数は,回折面上の単位セル中のピーク強度の数から決まる。
(3) 回折面上で得られた単位セル中でのピーク強度の2次元的な配列パターンを,時計と同じ方向に90°回転したパターンから織物の意匠図がもとまる。