1986 年 42 巻 9 号 p. T521-T527
織むらは糸の太さと糸の配列周期の不均一性に依存する。光の回折強度を測定し,この織むらを定量化した。上の2つの統計的な不均一性の標準偏差をそれぞれ, σαとσβとし,糸の平均周期に対する糸の平均太さの比をRとすると,回折強度のピーク値はの増減にょり単調に変化することが,数値解析からもとめられた。実験では,市販の布を用いて回折強度を測定し,このσを4~10%の範囲で,精度±1%で決めた。織物分解の結果と比較すると,良く一致していた。また人が織むらを評価する際の視覚特性と回折から得られた結果との相関についても議論した。