繊維学会誌
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ホスフィンオキシド構造を有する芳香族ポリスルフィドの合成と熱的性質
広瀬 重雄中村 邦雄畠山 立子畠山 兵衛
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1988 年 44 巻 11 号 p. 563-568

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抄録

炭酸カリウム及び18-クラウン-6の存在下においてビス(4-フルオロフェール)フェニルホスフィンオキシド(BFPO)とビフェニルー4, 4′-ジチオール(BPDT)との反応を行い,芳香族ポリスルフィドを合成した。N-メチルー2-ピロリドン(NMP)中で155°Cでの重合によって,対数粘度(ηinh)が0.71 (Mw=6.8×104)の高分子量ポリマーが得られた。
X線回折によって得られたポリスルフィドが無定形であることが明らかとなった。示差走査熱量測定(DSC)においては,ガラス転移が認められ,その温度(Tg)は232°Cであった。また,熱重量測定(TG)において観察された窒素中における熱分解開始温度(Td)は480°Cであり,分解の活性化エネルギー(E)は158kJ/molであった。

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