エチレン/プロピレンおよびプロピレン/エチレンのランダム共重合体のRISモデルについて,
Tm,
aおよび
hxの組成依存性を調べた。ここで,
Tmは共重合体の融解温度,
aは式(1)中の係数,および
hxは非結晶域中の擬結晶による構造単位モルあたりの転移エンタルピーである。
aの値は,ナイロン6, 66およびPET系共重合体における実験結果とことなり,副成分の増加とともに変化した。また,
hxについては,式(2)の仮定のもとで,エチレン/プロピレン共重合体において
hx=454cal/mol (1-
XA=0での外挿値)をえたが,プロピレン/エチレン共重合体では妥当な値はえられなかった。1-
XA≤0.20の後者の共重合体では,非結晶域中に擬結晶は存在しないことが推察された。
XAは主成分単位のモル分率である。
次に,
hxを単独重合体の溶解性パラメータδ
pから誘導する方法を議論し, PETおよびナイロン66について,式(1)とδ
pからの
hxのよい一致をえた。この場合,非結晶域中の擬結晶の転移温度は,結晶の融解温度に近い
値である。
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