抄録
床仕上げ材を高水分率のコンクリート下地に施工した場合に新たなVOC成分が発生する可能性が指摘されており、筆者らはこれまでにタイルカーペット用アクリル系接着剤が、下地のアルカリ水分によって加水分解して2エチルヘキサノール(以下2EHA)やブタノールを発生することを報告した。今回は昨年報告した以外のアクリル系接着剤に対する下地アルカリ水分の影響を検討した。その結果、接着剤単体試験で2EHA及びブタノールの放散量が多いものは施工体でもその放散が多かった。これは接着剤中のエステル成分がアルカリ水分によって加水分解し、生成したアルコールが塩ビ系床シートを通過して表面から放散したことを示唆する。