抄録
コンクリート床直押え面に対して、ケイ酸塩系の表面強化剤塗布と機械研磨を用いて光沢のある素地仕上げを作り込む工法(表面強化研ぎ出し仕上げ工法)の耐磨耗性評価を実施した。新たにキャスターを用いた磨耗試験を考案・実施し、表面粗さ計による断面形状計測および光学顕微鏡観察にて評価を行った。磨耗部は非磨耗部に比べて算術平均粗さRaの値が大きく、マトリックスの脱落量は、未処理面>表面強化剤処理面≒研ぎ出し処理面>表面強化研ぎ出し処理面の順に小さくなる結果であった。今回の磨耗試験の範囲では、表面強化剤処理に比べて、研ぎ出し処理の効果の方が耐磨耗性に対する寄与が大きいことがわかった。