日本建築仕上学会 大会学術講演会研究発表論文集
2015年大会学術講演会
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2015年大会学術講演会研究発表論文集
施工後23年を経過した外壁複合改修工法の追跡調査
*本吉 竜生近藤 照夫天田 裕之堀 竹市渡辺 清彦佐々木 聡
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p. 40-

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抄録

外壁複合改修工法を適用して23年を経過した建築物の外観調査とともに、適用されている材料の調査をした結果から、以下のようなことがいえる。(1)フィラーの引張強さの総平均値は18.5N/mm2で、陶磁器質タイル張りの引張接着強度の基準値である0.4N/mm2以上を十分に満足している。また、破断位置は大部分がフィラー層の凝集破断であり、接着性には問題がないと判断できる。(2)アンカーピンの引張強さの総平均値は7,866Nで、注入口付アンカーピン1本あたりの基準値である1,500N以上を満足しており、経年による性能の低下はないと判断できる。(3)現場で採取された繊維ネットは保管品と比較すると、最大引張荷重は増加の傾向がある一方で、伸び率が低下の傾向を示しており、硬く脆くなっていると推定される。しかし、繊維ネットの採取による損傷も考慮すると、当該工法における要求性能は未だ満足していると判断できる。以上のような結果から、当該工法は施工後23年を経過しても、十分な性能を有していると判断できる。今後も継続的な調査をして、当該工法の耐久性や信頼性に関するデータを蓄積して、検討をしていく予定である。

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