抄録
GPSと同じような測位システムとしてロシアではGLONASSが開発されている。最近ではGPSとGLONASS
を組み合わせた受信機が登場し,衛星数の増加による測位効果が期待されている。そこで, GPSとGLONASS
(1周波数型)を共用してキネマティック方式による測位精度を解析した。現在,この方式による測位は,
他の方式と同じように簡単に取り扱うことが出来,高精度な位置を求めることができる。しかし,基準局か
ら遠距離では測位誤差が大きくなるので基線長に対する測位精度の考察が必要となってくる。
その解析の結果, GLONASSを共用した場合の基線長に対する測位精度の劣化程度が定量的に把握できる
近似式を得た。すなわち,キネマティック測位ではGLONASSを共用するとGPSだけのときより約1/4程
測位精度が向上した。また,基準局から利用者局が離れるに従って測位精度は劣化するが, GLONASSを共
用すると時間帯によって溝度の高い測位を行うことが可能であることが分かった。