水産工学
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三方湖における2種類の藍藻の競合モデルの開発
白 相鎬大竹 臣哉吉田 天士広石 伸互
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ジャーナル オープンアクセス

2007 年 44 巻 1 号 p. 1-9

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抄録

三方湖では,アオコの種組成としてMicrocystis属とPlanktothrix属が交代に優占していることが確認されている。この2種類は,これまで塩分に対して各々の増殖特性を持っていることが知られている。そこで,この論文では,三方湖で見られる2種類の藍藻の遷移過程を数値モデルで表現することを試みる。塩分に対する耐性に関する培養実験では,M.aeruginosaは塩分が5以上では増殖されないことを確認した。この現象は、現地の調査でも塩分が5以上となる三方湖の北部入り口で同種が観測されなかったことと一致した。しかし,P.agardhiiは三方湖の全域で観測された。培養結果に基づき塩分と水温による内的自然増殖率(μ)と環境収容力(Κ)および種間競合係数(γ_<i,i>)を定式化した。そして,Boxモデルで再現した数値計算結果と現地観測結果を比較した結果,モデルの妥当性を証明することができた。

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© 2007 日本水産工学会
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