日本フットケア学会雑誌
Online ISSN : 2424-1350
Print ISSN : 2187-7505
ISSN-L : 2187-7505
シリーズ:フットケアと栄養管理
糖尿病における,フットケアと栄養管理
鈴木 英司武田 純
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キーワード: 糖尿病, 高齢者, 栄養管理
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2017 年 15 巻 3 号 p. 139-141

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抄録

【要旨】高血糖状態が続くと下肢の神経障害が起こり,閉塞性動脈硬化症も進行する.2013 年日本糖尿病学会は,これらの細小血管障害や動脈硬化などの合併症予防のための血糖コントロール目標(HbA1c 値)は 7% 未満であるとした(熊本宣言).社会の高齢化に伴い糖尿病患者数が増加している.2015 年日本糖尿病学会と日本老年医学会の合同作業により,75 歳以上またはフレイル(要介護)の 65 歳以上の高齢者は治療上特に注意を要するとした.サルコペニア(筋肉量減少),認知機能低下,ADL (日常生活動作)低下,フレイルを予防するための HbA1c は高めに設定され,多くの場合 7~8% である.足病変は活発に活動する患者から,廃用により寝たきりとなった患者にも起こりうる病態である.健康長寿を続けるためには,皮膚破綻を防止するための予防的なフットケアとともに,栄養管理により廃用を防止し自立を促す取り組みが重要である.

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© 2017 日本フットケア学会
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