抄録
都道府県が地域森林計画の樹立に関連して作成している森林簿について、入会林野の取扱い方法の現状と課題を検討した。滋賀県の森林簿の場合、県が作成した所有区分コードに「入会」という区分がみられた。但し、該当する小班は1件であった。個人、会社などの名義区分と、入会という実態区分とが一つの所有形態区分に混在していることが原因ではないかと考えられる。また、所有形態区分のなかに、所有区分と保有区分とが混在していることも分かった。森林簿で入会林野を区分するためには、所有区分コードを利用するのではなく、2000年世界農林業センサスまで採用されていた名義区分・実態区分(慣行共有か否か)に準じた新しい区分を設定する必要がある。